肩の痛みは徐々に進行する
多くの人は、肩の痛みが突然始まったと感じています。しかし実際は、肩の可動域が徐々に狭くなっていき、最終的に痛みが現れるのが一般的な経過です。
最初は、手を背中に回すことができなくなったり、内側に回すことが難しくなったりと、徐々に肩の可動域が狭くなっていきます。その状態が長期化すると、前の筋肉や滑液包、回旋筋群が圧迫されるようになり、ついには肩の痛みが出てくるのです。
肩の3つの重要な角度
肩の可動域が狭くなる原因は、主に3つの角度の問題にあります。
- 後方への伸展角度: 肩甲骨と上腕骨の角度。後ろに伸ばせなくなる。
- 内旋角度: 上腕骨が体の中に向かって回転する角度。内側に回せなくなる。
- 内転角度: 上腕骨が体の方向に寄せられる角度。手を背中に回せなくなる。
これらの角度がうまく保たれていないと、徐々に肩の可動域が狭くなり、最終的に痛みが出てくるのです。
後方伸展角度の改善
後方への伸展角度が狭くなると、前面の筋肉が固くなり、肩の可動域が狭くなっていきます。
運動1: 前面の筋肉をリリースする
- 肩甲骨の前面にあるテニスボールなどを置き、体重をかけながら前面の筋肉をリリースする
- 15秒ほど押し続け、ゆっくりと呼吸をしながら行う
運動2: 後方伸展を高める
- 両手を自然な位置から上に上げ、Aの字を描くように両手を後ろに引く
- 手のひらを上に向けたまま、上腕骨を後ろに引き上げる動作を行う
内旋角度の改善
内旋角度が狭くなると、外旋筋群が固くなり、内側に回せなくなっていきます。
運動1: 外旋筋群をリリースする
- 肩の外側にテニスボールを置き、体重をかけながら外旋筋群をリリースする
- 15秒ほど押し続け、ゆっくりと呼吸をしながら行う
運動2: 内旋角度を高める
- 壁に寄りかかり、手のひらを壁に向けて、手を内側に回す動作を行う
- 徐々に手を下に下げながら、内旋角度を高めていく
内転角度の改善
内転角度が狭くなると、手を背中に回すことが難しくなっていきます。
運動1: 内転筋群をリリースする
- 肩の内側にテニスボールを置き、体重をかけながら内転筋群をリリースする
- 15秒ほど押し続け、ゆっくりと呼吸をしながら行う
運動2: 内転角度を高める
- 手のひらを外側に向けて、手を後ろに回す動作を行う
- 徐々に手を上に上げながら、内転角度を高めていく
まとめ
肩の痛みの原因は、肩の3つの重要な角度(後方伸展、内旋、内転)が狭くなることにあります。
これらの角度を改善するために、以下のようなアプローチが効果的です:
- 前面の筋肉をリリースし、後方伸展角度を高める
- 外旋筋群をリリースし、内旋角度を高める
- 内転筋群をリリースし、内転角度を高める
これらの運動を継続的に行うことで、肩の可動域が改善され、最終的に肩の痛みも和らぐはずです。


