高齢者の医療費増加への対策として投資増税が検討
投資による金融所得を医療費の窓口負担や社会保険料の算定に反映させる法案が検討されています。これは高齢者の医療費の増大に伴い、特に75歳以上の方の医療費が現役世代の保険料の大きな支えとなっているため、若い世代の負担を軽減することが目的の一つです。
確定申告をしない人は35倍もの差がある
この改正の背景には、投資による金融所得がある高齢者の中で、確定申告をしていない人とそうでない人との間に大きな差が生まれていることがあります。
財務省のシミュレーションによると、75歳以上で年間500万円の金融所得がある人の場合、確定申告をしていない人と確定申告をしている人では医療保険料に最大35倍もの差があるそうです。
金融所得が50万円〜200万円の場合の影響
財務省のシミュレーションでは年間500万円の金融所得を例に挙げていますが、これは少し極端すぎるのではないでしょうか。
75歳以上の人には年金収入もあるため、年間で50万円から200万円程度の金融所得が一般的だと考えられます。
金融所得が50万円の場合
金融所得が50万円の場合、現在の医療保険料は年間約1万5,000円ですが、改正後は年間約3万4,000円に増加し、負担増は年間約1万9,000円となります。
金融所得が100万円の場合
金融所得が100万円になると、ほとんどの自治体で均等割の割引がなくなり、所得割も課金されるため、負担額は一気に年間約10万円を超えます。
金融所得が150万円の場合
金融所得が150万円になると、負担額は年間約16万円になります。
金融所得が200万円の場合
金融所得が200万円になると、負担額は年間20万円を超えるようになります。
医療費自己負担割合の引き上げも影響が大きい
今回の改正では、医療費の自己負担割合も1割から2割に引き上げられる人が多数出てくると予想されます。
このように、投資による金融所得への課税強化と医療費の自己負担割合引き上げが重なることで、高齢者の手取りが大幅に減少することが懸念されます。
投資による金融所得を社会保険料の算定に含める改正が検討されている
- 確定申告をしていない高齢者は医療保険料が最大35倍も安くなっている現状があった
- 金融所得が50万〜200万円の場合、年間数万円から20万円超の負担増が見込まれる
- 医療費の自己負担割合引き上げも重なり、高齢者の手取りが大幅に減少する可能性がある


