米巨大テックに集中投資するFANG+を、少額の長期積立で活用する可能性について解説する。短期の運用経過と長期シミュレーションを通じて、成長期待と価格変動の大きさをどう捉え、どのように判断材料とするかを考える。
この記事では、あるYouTube動画で語られていた内容をもとに、考え方やポイントを整理しています。
FANG+積立企画の概要と6ヶ月の運用経過
月1万円をiFreeNEXT FANG+インデックスで積み立て、ハイリスク商品を少額・長期で持つ感覚を検証している。6ヶ月の短期実績から値動きの大きさと精神的負担を確認し、その後のシミュレーションと合わせて考察している。
6ヶ月時点の元本6万円に対しトータルリターンは+10.4%、含み益は6,244円となり、短期としては良好な結果となった。4月のトランプ関税ショック後には相場が急回復し、基準価額は右肩上がりで推移している。
一方で、この成績はあくまで特定期間の例であり、再現性には限界があると位置づけられている。月1万円という少額に抑え、精神的負担を軽くして継続しやすくするという運用スタンスが強調されている。
FANG+インデックスの特徴と過去パフォーマンス
FANG+は米巨大テック10社に集中投資する高コスト・高ボラティリティのインデックスであり、過去には極めて高いリターンを記録してきた。一方で年ごとの振れ幅が大きく、心理的負担や長期のコストが課題として示されている。
iFreeNEXT FANG+インデックスはFANG+指数に連動し、Meta(旧Facebook)、Amazon、Netflix、Google、Apple、Microsoftに加え、NVIDIA、Broadcom、ServiceNow、CrowdStrikeで構成される。信託報酬は年0.7755%と、オルカンやS&P500連動型より明確に高コストである。
2018年の設定時1万円だった基準価額は、2025年12月までに約8.7倍となり、年間リターンも+83%、−33%、+115%など数十%単位で乱高下する性質が示されている。純資産総額は1兆円を超え、高い人気と資金流入が確認される一方、ハイリスクゆえのストレスやコスト負担が課題として挙げられている。
新NISAでの活用方法とポートフォリオ構成の考え方
新NISAではFANG+をつみたて投資枠・成長投資枠の双方から購入できるため、少額積立からスポットでのまとめ買いまで柔軟な活用が可能とされる。発言者はコア・サテライトの考え方を用い、ポートフォリオ全体のボラティリティを抑える構成を例示している。
つみたて投資枠は年間120万円、成長投資枠は年間240万円まで利用でき、FANG+はどちらの枠でも購入できる。値動きが大きい商品であることを前提に、月1万円程度の少額なら続けやすいと説明されている。100万円投資して−50%となれば含み損は50万円になり、耐えられるかどうかは個々のリスク許容度に依存すると整理されている。
投資初心者向けのイメージとしては、オルカン月5万円+FANG+月1万円など、分散性の高いファンドをコア、FANG+をサテライトとする構成が紹介される。新NISAの枠を高リスク商品で埋めすぎると下落局面のダメージが大きくなるため、ランキング上位という理由だけで選ばず、自身の計画に合うか検討する必要性が指摘されている。
AI・半導体と巨大テックの成長シナリオ
AI・半導体は米国株式市場の牽引役であると同時に、主要なリスク源としても位置づけられている。FANG+構成銘柄の多くはこの領域の恩恵を受ける企業であり、個別銘柄を選ばずにまとめて成長性に乗る手段として語られている。
S&P500ではテクノロジー関連が約4割を占め、AIや半導体セクターが指数全体の上昇を押し上げている。発言者はAI・半導体が経済安全保障の「核」になると述べ、売上と利益の成長が続く限り、割高でもテック株の上昇が続く可能性に言及している。一方で、ハイテク株が急落すれば米国株全体の低迷につながるリスクも指摘される。
AI開発には巨額の研究開発費やインフラ投資が必要であり、マイクロソフトがOpenAIの最大株主である例が挙げられるなど、巨大テックが主導権を握る構図が示されている。FANG+は、こうした企業群に分散して投資し、AI成長の恩恵を個別株ではなくパッケージとして享受する手段として合理的だという見解が示されている。
リスク要因と米中テクノロジー覇権争いの影響
FANG+は米株投信の中でも最もハイリスクな部類にあり、価格変動と地政学的要因の両面からリスクが整理されている。米中テクノロジー覇権争いにより、巨大テックの成長シナリオが想定どおり進まない可能性にも言及されている。
上昇局面では大きな利益が出る一方、下落時には含み損が急拡大しやすい。過去の高パフォーマンスは未来を保証しないと繰り返し強調され、人気や直近の成績だけで判断しない姿勢が重要とされる。100万円投資して−50%になった場合に耐えられるかなど、事前にリスク許容度を把握する必要性が示されている。
さらに、AI分野では中国の台頭が顕著であり、DeepSeekなど新興モデルの存在が紹介されている。米中間で技術覇権争いが激化し、中国がテクノロジー覇権を握るシナリオでは、米巨大テックが期待どおりに成長しないリスクを理解すべきだと述べられている。規制や地政学リスクが株価に影響し得る点も、重要な不確実性として整理されている。
シミュレーション条件と20年積立の結果
FANG+の過去リスクリターンを基に、月1万円・20年間の長期積立シミュレーションが実施されている。モンテカルロ法により幅広い将来パターンを算出し、リスクとリターンの振れ幅を具体的に把握する試みとなっている。
前提条件は、元本240万円、期待リターン年20%、リスク年30%で、信託報酬0.7755%も織り込み、5,000通りのケースを乱数で生成している。上位5%では約6,500万円台、上位30%で約2,300万円台、下位30%で約900万円台、下位5%でも約400万円台という結果が示され、どのケースでも元本を上回るシナリオが描かれている。
ただし、極端に高い結果はリスクが上方に大きく振れた「非常にうまくいった例」と明示され、シミュレーションは過去実績に依存し未来を保証しないと説明されている。上位ケースの数字だけを見て過大な期待を持たず、幅広い結果の振れ幅を理解したうえで判断する必要性が強調されている。
発言者の投資スタンスとFANG+活用に関する見解
発言者はFANG+を自ら少額積立しつつ、その位置づけや使い方について具体的なスタンスを示している。ハイリスク商品をポートフォリオの一部にとどめ、心理的に無理のない範囲で長期保有する姿勢が一貫している。
楽天証券で月1万円の自動積立を行い、金額を抑えることで日々の評価額に一喜一憂しないと述べている。FANG+は新NISAのつみたて投資枠・成長投資枠から柔軟に購入できる一方、投資初心者にはまず分散性の高いファンドをコアに据え、FANG+はサテライトとして扱う例を示している。
具体例としてオルカン月5万円+FANG+月1万円という比率を挙げ、FANG+への新NISA投資はAI発展を見据えた長期投資として「アリ」と捉えていると述べている。ただし、人気や直近成績だけで飛びつかず、投資額を抑えつつ自分のリスク許容度を確認しながら活用するべきだという主張が繰り返し示されている。
まとめ
発言者は、テクノロジーとAIの長期的な成長可能性に着目しつつ、価格変動の大きい資産を少額・長期で保有する考え方を示している。ハイリスク商品をポートフォリオの一部に位置づけ、リスクと成長期待をどうバランスさせるかを考える材料になるという見解が示されている。
注意: この記事は動画内の発言者の主張を紹介するものです。記事としての評価や判断は行っていません。


