「合わない人」の正体を知る
職場や生活の中で「どうしても合わない人」がいるという経験は、多くの人に共通するものでしょう。なぜ、そのような感覚が生まれるのでしょうか。
樹木希林さんによると、その原因は大きく2つのパターンに分けられるそうです。
1つは、優等生(ルールを守る)と不良(枠外の行動)の対立です。優等生の人は、決められたことを守ることを重視しますが、不良の人はそうした枠組みを超えた行動をとります。こうした価値観の違いから、互いの行動が理解できずにストレスを感じてしまうのです。
もう1つは、仕事のスピード感の違いです。ある人は10分で仕事を済ませられるのに対し、別の人は3日かけて慎重に進めるなど、同じ仕事でも進め方が異なります。このような生活のテンポの違いも、「合わない」と感じる要因となります。
無理に相手を理解しようとしない
多くの人は、「目の前の人を理解しよう」と努力しがちです。しかし、樹木希林さんによると、これは現実的ではないとのこと。
優等生と不良の対立、スピード感の違いなど、人には様々な「種類」がいるのは事実です。そうした人間性の違いを理解しようと必死になっても、結局のところ無理なことなのかもしれません。
無理に相手を理解しようとして、かえって自分を追い詰めてしまうリスクがあります。そうではなく、「この人とは波長が合わない」ということを受け入れ、お互いの距離感を保つことが大切なのです。
相手を「面白い存在」として捉え直す
相手との波長が合わず、イライラを感じてしまうこともあるでしょう。しかし、樹木希林さんは「相手を面白い存在」として捉え直すことをおすすめしています。
例えば、ある撮影現場で、真面目な助監督と気分の乗らない役者の対立が起きた際、プロデューサーはその光景に笑いが込み上げてきたそうです。通常なら怒りを感じるところ、むしろ「なんだこれは」と面白がることができたのです。
こうした観察者の視点に立つことで、相手の奇妙な言動や行動を「興味深い」ものとして捉え直すことができます。相手を「困った人」ではなく、「観察対象」として見ることで、自分のストレスも和らぐのです。
自分の心を守りながら付き合う
相手との波長が合わず、無理に理解しようとして自分を追い詰めてしまうのは避けたいですね。そのためには、自分の心を守ることが何より大切です。
無理に相手を理解しようとせず、距離を置くことをためらわない。そして、相手の行動を「面白い」ものとして捉え直す。そうすることで、自分のメンタルヘルスを損なうことなく、相手との付き合い方を見つけられるはずです。
自分の心を守りながら、相手を「面白い」存在として捉える
職場や生活の中で「合わない人」がいる時、樹木希林さんは以下のような対処法を提案しています。
- 相手との性格の違い(優等生vs不良、スピード感の違い)を理解する
- 無理に相手を理解しようとせず、お互いの距離感を保つ
- 相手の奇妙な言動を「面白い」ものとして捉え直す
- 自分の心を守ることを最優先する
こうした心構えと対応により、「合わない人」との付き合いを円滑に保ちながら、自分のメンタルヘルスも守ることができるでしょう。相手との関係性に悩む人は、ぜひ参考にしてみてください。


